インジケータとは
デイスキャFXでは、数多くのインジケータを使います。そこで、それぞれのインジケータについて確認しましょう。
インジケータとは、チャートの値動きが視覚的に分かるように、為替レートを加工して作った線などを言います。
例えば、移動平均線は、為替レートを加工して1本の曲線にしたものです。ローソク足だけ見る場合に比べれば、全体的な値動きの傾向が分かりやすくなります。
為替レートの数字をいくつ使って平均値をとるかによって、「5日移動平均線」「9日移動平均線」などと表現が変わってきます。
なお、インジケータ一つ一つを完璧に覚えていると、大変な時間と努力が必要になります。ここでは、デイスキャFXで必要な範囲に限って、可能な限り簡潔に確認していきましょう。
インジケータの種類は6種類
デイスキャFXで明示的に使うインジケータは、以下の6種類です。順に確認しましょう。
- ゾーン
- ダウ理論
- ZigZag
- EMA
- MACD
- ボリンジャーバンド
1ゾーン
デイスキャFXでは、チャートを3つに分割します。3つのそれぞれの場所のことを「ゾーン」と言います。
3つという表現をしていますが、デイスキャFXでは5色使っています。下のチャートをご覧ください。
配色 | ゾーンの種類 | 売買の方向 |
---|---|---|
濃いピンク | 最高値ゾーン | 買いを狙う (買いゾーン) |
薄いピンク | 高値ゾーン | |
灰色 | レンジゾーン | 取引を見送る |
薄い青 | 安値ゾーン | 売りを狙う (売りゾーン) |
濃い青 | 最安値ゾーン |
5つに分けていますが、大きく見てパターンは3つだと分かります。すなわち、「買いゾーン・売りゾーン・取引を見送るレンジゾーン」です。
この中で、最も大きな利幅を狙うのは、「高値ゾーン」と「安値ゾーン」です。「最高値ゾーン」と「最安値ゾーン」でも狙えますが、高値ゾーンや安値ゾーンに比べると、期待できる利幅は小さめになります。
レンジゾーンでは、取引しません。と言いますのは、レンジですので、為替レートが上に行くのか下に行くのか、良く分からない状態だからです。
このレンジを決めるために使うのは、ダウ理論です。
2ダウ理論
「ダウ理論」という言葉を見ると、難しいような印象です。しかし、デイスキャFXで使用する考え方そのものは単純です。下のチャートで確認しましょう。
為替レートが上昇するときの、典型的な特徴は以下の通りです。
- 直近高値は、その直前の高値よりも高い
- 直近安値は、その直前の安値よりも高い
高値も安値も、徐々に上昇していきます。これが、典型的な上昇トレンドです。上昇トレンドの時は、もちろん買いで勝負です。
上昇トレンドといっても、途中で下落する場面があります。その下落を狙うことも可能です。しかし、全体として上昇している場面で、わざわざ売りで勝負する必要はありません。買いを狙いましょう。
しかし、ダウ理論を使うといっても、いったいどこで買えば良いの?、どこで売れば良いの?という話になります。それを視覚的に分かりやすくしたのが、ゾーンです。
3ZigZag(ジグザグ)
ZigZagとは、相場のトレンドが簡単に分かるインジケータです。下のチャートで確認しましょう。
相場のトレンドを判断するインジケータといえば、移動平均線が代表的です。しかし、移動平均線は万能というわけではありません。
例えば、移動平均線は、グニャグニャと曲がった線になります。慣れれば問題なく理解できるかもしれませんが、分かりやすいとは言えないでしょう。
しかし、ZigZagは直線です。高値から安値に向かって線を引き、次は安値から高値に向けて線を引きます。これを繰り返します。
直線ですから、分かりやすいです。これが魅力です。
4EMA(イーエムエー)
EMAとは、移動平均線を改良したものです。例えば、5日移動平均線を例にします。下の5つの終値の平均値を使います。
- 本日の終値
- 1日前の終値
- 2日前の終値
- 3日前の終値
- 4日前の終値
すなわち、本日の終値も、4日前の終値も、同じ価値で計算しています。終値は5つありますから、それぞれ20%の影響力を持っています。
しかし、4日前の終値よりも本日終値の方が、今後の為替レート推移に与える影響力は大きいでしょう?という考えが出ても不思議ではありません。この考え方を採用したのが、平滑移動平均(EMA)です。
EMAは、現在値に近い為替レートの重要度を増した移動平均線です。
通常の移動平均線よりも、為替レートの変化に対して敏感に反応しやすいという特徴を持っています。
5MACD(マックディー)
MACDは、2つの移動平均線を使って、相場の転換や過熱感、トレンド感などを把握するインジケータです。
MACDを見ると、線が2本あることが分かります。そして、その線は交差しながら、上昇したり下落したりしています。
この動きから、買いや売りのタイミングを見極めます。
デイスキャFXでは主に、取引開始と取引終了を見極めるツールとして使います。すなわち、重要度がとても高いインジケータです。
また、「ダイバージェンス」と呼ばれる形を使って取引する場面もあります。
6ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、為替レートの値動きを元に、特定の為替レートになる確率は何%かというのを示したグラフになります。
一般的には、ボリンジャーバンドは7本の線を使います。すなわち、以下の通りです。
- 3σ(シグマ)
- 2σ
- 1σ
- 移動平均線
- -1σ
- -2σ
- -3σ
σ(シグマ)という、何やら難しい単語がでてきました。これが意味するのは、以下の通りです。
・今後、為替レートが-1σと1σの間に収まる可能性は68%くらい
・今後、為替レートが-2σと2σの間に収まる可能性は95%くらい
・今後、為替レートが-3σと3σの間に収まる可能性は99%くらい
実際には、為替レートはどんどん変化していきます。このため、3σの位置を超えても、全然珍しいことではありません。
デイスキャFXでは、3σのみ使います。利食いする目安として使います。どちらかと言えば、補助的な役割になります。
7デイスキャFXのインジケータ
そして、下のチャートは、インジケータを全部表示したものです。
これらのインジケータを頭に入れつつ、ローソク足の動きを見ながら取引します。とても難しいように見えます。実際のところ、難しい場面があるでしょう。
しかし、すべてのインジケータが同様の価値を持っているわけではありません。最初にこのインジケータをチェックして、次にこれを見て…と、順番があります。順序通りに見ていけば、最終的に取引できる場面かどうか分かります。
次のページでは、デイスキャFXは「なぜ自動売買でなくインジケータなのか」という理由を解説します。